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7~8世紀を中心とする新羅土器の形式分類: 「新羅王京様式」構築に向けての基礎研究

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奈良大学文学部文化財学科
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7世紀代は、新羅が中国王朝の影響を背景として三国統一を成し遂げ、東アジア社会に大きな変動が起こった重要な時期である。8世紀代においても、中国王朝は言うに及ばず、統一新羅と日本との問でも盛んに交易が行われており、各国独自の発展の中で絶えず影響を受け合っていた。このように、当該期の研究は各国の内的様相だけに注目して行えるものではなく、常に外的様相にも配慮すべきであり、各国間で同レベルの比較研究が望まれる。 しかし、韓国において、7世紀以降の考古学研究は決して活発と言えるものではなく、歴史叙述に必要不可欠な編年体系も十分ではない。これまでの研究では地域性が見落とされがちであったが、三国統一・後も念頭におくならば、先ず、新羅中心地における土器様式の構築が必要であり、これを、私は「新羅王京様式」として提唱する。この様式論を展開するためには基礎的な研究を積み重ねていかねばならない。本稿の目的は、「新羅王京様式」構築の前段階として、当該期の新羅土器が一体どういった様相をもっているのかを把握することにある。すなわち、当時の土器群が、何種類のどういった器形からなり、土器質の種類による構成はどうなっているのかなどを明確にする最も基礎的な研究である。 これまでの新羅土器研究は古墳出土資料が中心に行われ、生活遺跡出土資料は報告される程度でしかなかった。しかし、7世紀以降、特に、統一新羅以降では古墳自体も減少し、遺物は王京や寺跡を始めとする生活遺跡からの出土が中心となるのであり、生活遺跡出土資料を中心とした土器研究が不可欠である。本稿では、生活遺跡である慶州市皇南洞376遺跡出土資料を中心に、7~8世紀代における新羅十器の形式分類を試みる。

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