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Human Resources Management and Workers' Occupational Consciousness in the Small and Medium Sized Enterprises in Nara Prefecture

Authors
Publisher
奈良大学
Publication Date

Abstract

日本経済の中で中小企業は、かつては二重構造の下層を形成する低生産性の前近代的分野として位置づけられたが、今日ではそのような中小企業のイメージは大きく転換している。ME(マイクロエレクトニクス)化を中心とする技術革新の急速な進展に対応して各種自動化設備を導入し、また、独自の技術力を発展させて、高能率・高品質の生産体系を構築している中堅・中小企業は少なくない。カンバン方式に代表される大企業の合理的生産システムも、親企業からの厳しい品質・コスト要請に対応しうる技術力を獲得した中小企業群の存在があって初めて可能になったといえよう。中小企業のフレキシビリティと活力は、戦後の日本経済の発展の原動力であったといっても過言ではない。 しかし、発展を続けている中小企業においても、人材問題が経営のアキレス腱となる恐れが強まっている。近年における深刻な労働力不足もさることながら、ME化の進展の下での人材開発の規模間格差が、中小企業の適応力の脆弱化を招いているのではないかという恐れがある。とくに、本県産業においては、後述するように中小企業の占める比重がきわめて高く、その近代化を図っていくためには人材の開発・活用による技術力の向上が重要な課題となる。 われわれは、このような問題意識をもって本県中小工業における人材の開発と活用の実態にについて、この2年間に二つの調査を実施した。一つは、大規模事業所を含む製造業事業所を対象として、事業所における技術力向上への取り組み状況および従業員に対する教育訓練の現状について調査した。他の一つは、中小工業における現業系従業員を対象にした労働内容、労働条件、能力開発、将来希望等に関する意識調査である。本小論は、この二つの調査の中間報告としてとりまとめたものである。

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