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クローン病の病態形成における secondary lymphoid-tissue chemokine (SLC) と EBI1-ligand chemokine (ELC) の役割に関する研究

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氏     名  佐々木 博 光 氏 名 川 島 大 知 学 位 の 種 類 博 士(医 学) 学 位 記 番 号 第4470号 学位授与年月日 平成16年3月25日 学位授与の要件 学位規則第4条第1項該当者 学 位 論 文 名 クロー ン病の病態形成におけるsecondary lymphoid-tissue chemokine(SLC)と EBI1-ligand chemokine(ELC)の役割に関する研究 論文審査委員 主 査 教 授 荒 川 哲 男 副主査 教 授 小 林 和 夫 副主査 教 授 平 川 弘 聖 論 文 内 容 の 要 旨 【目的】クローン病(CrD)の病因・病態には免疫異常、特にTh1型優位の免疫反応が重要と考えられている。T 細胞の遊走調節に関与するケモカインであるSLCとELCはリンパ装置のT細胞領域を中心に発現し、抗原特異的 なT細胞の免疫反応の調節に重要な役割を果たしている。今回著者は、CrDにおけるTh1型反応の形成の機序と、 SLCとELCの機能的意義について解明を試みた。 【対象と方法】外科的に切除された腸管を対象に、免疫組織化学的手法とRT-PCR法を用いて検討した。 【結果】1.腸管組織内での発現を検討したところ、対照および CrD・潰瘍性大腸炎(UC)のいずれにおいても、 病変部・非病変部ともにELCの発現はほとんど認められず、SLCもリンパ濾胞やリンパ球集簇巣の小静脈・リン パ管・樹枝状支持細胞に散在性の発現を認めるのみであった。2.これに対し腸間膜リンパ節ではT細胞領域を中 心として、SLCは、高内皮細静脈(HEV)・リンパ管・樹枝状支持細胞に、ELCは、成熟樹状細胞(mDC)に強い発 現が認められた。3.腸間膜リンパ節において、T細胞領域の構成に重要なSLC陽性HEVとELC陽性mDCの数を、 長軸最大割面単位面積あたりで比較検討すると、両者ともCrDにおいてUCに比べ有意な増加を認めた。4.SLC とELCおよびそれらの受容体であるCCR7のmRNA量を、腸間膜リンパ節においてquantitative RT-PCR法を用い て比較検討すると、三者ともCrDにおいてUCに比べ有意な増加を認めた。 【結語】CrDの所属腸間膜リンパ節において、HEVやmDC、およびリンパ管を中心にSLCとELCの産生発現が増加 し、T細胞領域の過形成が惹起され、T細胞上に発現するリガンドであるCCR7のmRNA量も増加が確認された。 以上より、CrDの腸間膜リンパ節では、SLC陽性HEVやELC陽性mDCとCCR7陽性T細胞との相互作用を介して、 T細胞領域の過形成を生じ、特徴的なThl型優位の免疫反応が促進されていると考えられた。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 クローン病(CrD)の病因・病態には免疫異常、特にTh1型優位の免疫反応が重要と考えられている。T細胞の 遊走調節に関与するケモカインであるsecondary lymphoid-tissue chemokine(SLC)とEBI1-ligand chemokine (ELC)はリンパ装置のT細胞領域を中心に発現し、抗原特異的なT細胞の免疫反応の調節に重要な役割を果た している。本研究は、Crohn病(CrD)におけるThl型反応の形成の機序と、SLCとELCの機能的意義について解 明を試みたものである。 対象は、外科手術を受けたCrD患者、潰瘍性大腸炎(UC)患者および大腸癌患者で、切除された腸管を用いて、 SLCとELCおよびその受容体につき免疫組織化学的手法とRT-PCR法にて検討した。 CrD、UCおよび大腸癌患者の腸管粘膜における免疫染色では、病変部・非病変部ともにELCの発現はほとんど 認められず、SLCもリンパ濾胞やリンパ球集簇巣の小静脈・リンパ管・樹枝状支持細胞に散在性の発現を認める ― 274 ― のみであった。これに対し、腸管所属リンパ節ではT細胞領域を中心として、SLCは、高内皮細静脈(HEV)・リ ンパ管・樹枝状支持細胞に、ELCは、成熟樹状細胞(mDC)に強い発現が認められた。これは特にCrDで顕著であ った。腸管所属リンパ節において、T細胞領域の構成に重要なSLC陽性HEVとELC陽性mDCの数を、長軸最大割 面単位面積あたりで比較検討すると、両者とも、UCに比較してCrDで有意な増加を認めた。また、腸管所属リン パ節におけるSLCとE

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