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Studies on the novel copper(II) complexes of tris(2-pyridylthio)methane with the sp^3 carbanion coordination

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- 77 - 氏 名 宮 本 利 一 学 位 の 種 類 博 士(理 学) 学 位 記 番 号 第 4919号 学位授与年月日 平成 18年 9月 29日 学位授与の要件 学位規則第4条第1項該当者 学 位 論 文 名 Studies on the Novel Copper(II) Complexes of Tris(2-pyridylthio) methane with the sp3 Carbanion Coordination (sp3カルバニオン配位を有するトリス(2-ピリジルチオ)メタン銅二価錯体の 研究) 論文審査委員 主 査 教 授 木 下 勇 副 査 教 授 大 船 泰 史 副 査 教 授 手 木 芳 男 副 査 教 授 市 村 彰 男 副 査 教 授 矢 野 重 信(奈良女子大学) 論 文 内 容 の 要 旨 本論文では金属錯体に躍進的な新規性質・反応性を付加することを目的として、新規配位子 tris(2-pyridylthio)methane (tptmH) を設計し、sp3型安定カルバニオンとの結合を持つ新規有機銅二価錯体 [CuII(tptm)L] (tptm=tris(2-pyridylthio)methyl) の合成的研究を行った。 本論文は主に4つの章から構成されている。一章にて、tptmとその銅二価錯体の発見に至った過程を説明す る。この配位子は、酸素存在下一価の銅と反応し、CuII–C(sp3)結合を持つ新規Cu(II)錯体を与える。銅二価イ オンへのsp3型カルバニオンの配位は本研究によってはじめて見出されたものである。第二章ではこの新規結合 が金属錯体へ与える影響を比較するため、一連の銅二価ハロゲン化物錯体[CuII(tptm)X]を合成し、分光学的お よび電気化学的測定を行い、さらには分子軌道計算によって、CuII–C(sp3)結合の性質を明らかにした。その結 果、CuII–C(sp3)結合は非常に安定で、銅三価状態をも安定化することを見出した。三章では、人類にとって重 要であり、しかしその現象の解明が極めて困難である水と、両親媒性のフッ化物錯体[Cu(tptm)F]の相互作用に ついての研究を記述した。本研究で得られたフッ化物錯体の水和物はその結晶構造中に、錯体分子が二次元平 面に配列し、その二次元平面間に水分子が挟まれた特殊な水素結合場を構築する。これは、錯体分子が作り出 す擬似的な膜表面との親水性・疎水性相互作用を、構造として可視的に創出した非常に特殊な系である。また、 フッ化物錯体と水の相互作用により1,4-ベンゾキノンの光還元反応を促進するといった作用を反応系中に見出 した。四章では水酸基が架橋した二核錯体の置換ベンゾキノンによる酸化過程を検討した。この二核銅錯体は 水との反応で得られ、その酸化過程では殆ど例のない銅二価三価の混合原子価状態を与えた。このまとめとし て、新規結合の構築から、最終的には生体系に深く関連した電子・プロトン移動を錯体にて制御するといった、 新規な反応性を見出すに至った。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 本論文では銅錯体に新規性質・反応性を付加することを目的として、tris(2- pyridylthio)methane(tptmH =tris(2-pyridylthio)methane) を設計し、カルバニオンとの結合を持つ新規有機銅二価錯体[CuII(tptm)L]の 合成的研究を行った。 本論文は主に4つの章から構成されている。一章にて、新規配位子とその銅二価錯体の発見に至った過程を 説明している。この新規配位子は、新規CuII–C(sp3)結合を持つ金属錯体を与える。銅二価イオンへのsp3型カル - 78 - バニオンの配位は本研究によってはじめて見出されたものである。二章ではこの新規結合の金属錯体への影響 を検討するため、フッ化物からヨウ化物の四種類のハロゲン化物銅二価錯体[CuII(tptm)X]を合成し、種々測定 と分子軌道計算を行いCuII–C(sp3)結合の性質を決定付けた。この挙動は二章に記述した。三章では、水分子と 両親媒性フッ化物錯体[Cu(tptm)F]の相互作用について検討している。フッ化物錯体の水和物はその結晶構造中 に水分子が二次元に配列し、錯体が作り出す二次元平面によってはさまれた特殊な水素結合場を構築すること を見出した。さらにフッ化物錯体と水の相互作用により1,4-ベンゾキノンの光還元反応を促進するといった作 用を反応系中に見出している。四章では水

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