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Changes of the Cenozoic radiolarian assemblages in various areas, ages and environment

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学位5229・理・西村 明子 氏 名 西村 明子 学 位 の 種 類 博士(理学) 学 位 記 番 号 第 5229 号 学位授与年月日 平成 20 年 6月 30 日 学位授与の要件 学位規則第4条第2項該当者 学 位 論 文 名 異なる海域、年代および環境における新生代放散虫群集の変遷 (Changes of the Cenozoic radiolarian assemblages in various areas, ages and environment) 論文審査委員 主 査 教 授 八尾 昭 副 査 教 授 吉川 周作 副 査 准教授 江﨑 洋一 論 文 内 容 の 要 旨 南極海全域からの 146 個の底質試料に含まれる放散虫化石群集を検討し、遠洋性と浅海性の 2群集 を識別した。浅海性群集は遠洋性群集よりも多様性が低いが、ある特定種が優勢である。さらに更新 —完新統の層準における特定種を明らかにした。これら南極海域の群集と、北西太平洋南海トラフの 更新—完新統・大阪湾の底質・北西大西洋の暁新統の群集との比較を行った。 種の多様性が最も高い群集は南海トラフであり、次いで暁新統、南極海域、大阪湾の順である。放散 虫群集の多様性は様々な要因に規制されるが、水温は重要な規制要因であり、海流に左右される。南 海トラフで多様性が高いのは、黒潮海流の水温に影響され、季節や深度により群集組成が様々に変化 する結果と考えられる。一方、南極海域では多様性が低いにもかかわらず産出量は多い。これは極域 に軟泥が多く、シリカの供給量が多いことに起因するであろう。 南極海域の遠洋性群集の多産種において、多くの種内変異がみられる。このことは同一種が多量に存 在することによって、種内に変異が生じるためと考えられる。 海域間の形態的多様性の差異を Spumellaria 目で比較すると、外殻の主棘の本数や形状に多様性がみ られる。南海トラフで主棘の本数の多いものに多様性が生じていることは、中緯度域で暖海種や遷移 帯種などの要素が混在するためと考えられる。南極海域に 2本の polar spine(極棘)をもつものが多 いことは、極域で地磁気が影響する可能性が考えられる。また、南極海域では pylome(開口)をもつ ものが多いが、これも極域環境の影響の可能性がある。Nassellaria 目では、Plagoniidae 科の Antarctissa 属がどの海域にもみられ、多様性が高い。暁新統の群集では Theoperiidae 科に 3本足 のものが多く、足に多様性がみられる。大阪湾の優勢種と南極海域の浅海性優勢種とは類似の形態を 持ち、ともに縁海性種である。 以上の検討結果から、異なる海域、年代および環境における新生代放散虫群集が、それぞれの環境 要因に規制されながら変遷してきた実体が明らかになった。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 放散虫は,全海域の水塊に浮遊して生息する原生生物であり,水塊の環境(海水温など)によって 放散虫群集が異なることが明らかになっている.放散虫はカンブリア紀から現世に至るまで多様な形 態の珪質殻をもち,その殻が海底に沈着して化石として保存される.よって,堆積物中の放散虫群集 を解析することによって,水塊の環境やその変遷を推定することが可能となるが,実際にはそのよう な研究例は少ない. 本論文の筆者は,南極海域(新生界),南海トラフ(更新統),北西大西洋(暁新統),大阪湾(完 新統)の 4海域底質中の放散虫群集を解析し,群集の層位分布だけでなく,種構成の多様性や形態の 多様性を検討し,主として次の点を明らかにした. (1)4海域底質間で種多様性が最も高いのは南海トラフであり,北西大西洋・南極海へと減少し, 大阪湾で最も低い.南海トラフと北西大西洋底質は暖流域下にあり,深度が深く,低緯度・中緯度群 集で特徴付けられる.南極海域では基本的に南極還流内側の高緯度群集で特徴付けられ,大阪湾域で は暖流表層部の分流及び閉鎖海域の特徴を示すものと考えられる. (2)放散虫 Actinommidae 科放射棘の形態的多様性に関して,4海域の群集を比較すると,南海ト ラフでは放射棘の多い種が高率を占めるが,南極海域では放射棘の少ない種の比率が高い.北西大西 洋では前二者の中間を示す.この結果は,生息環境,特に海水温に対する形態的適応を示すものと考 えられる. 以上の研究結果と考察から,4海域底質中の放散虫群集特性はそれぞれが年代を異にするにもか かわらず,復元される海流・水

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