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My Thought about Dementia When I, a Nurse Teacher, Turned Out to Be a Family Menber of Demented Elderly : To the Sepia Carnation

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【寄 稿】 大阪rfJL;/A_入学看護学雑誌 第4巻 (2(氾8.3) 看護職が認知症高齢者の家族になったとき :セピア色のカーネーションに寄せて MyThoughtaboutDementiaWhenI,aNurseTeacher, TurnedOuttoBeaFamilyMemberofDementedElderly:TotheSepiaCarnation 臼井 キミが) KimikaUsui はじめに 「一億の人に一億の母あれど、我が母にまさる母な し」。この文章は、田舎の高校を卒業して単身上阪した 少女が、母の日に何片かのカーネーションの押し花に添 えて母親宛に送ったものである。今日にあっては、携帯 電話で祝福のメッセージを送ったり、いわゆる 「○○キ ューピット」で、美しく豪華な花束が届けられているの かもしれないが、封筒の表には昭和40年のスタンプが押 されていることから、当時はそのような時代ではなかっ たのだろう。もっとも、少女にはそのような経済的なゆ とりがなかったことは想像に難くない。このような文章 を臆面もなく書いたものだと思い、出典を調べてみると、 「詠み人知らず」となっている。文言は少し異なるが、 「一億の人に一億の母あれど、吾が母に優る母あらめや あけがらすlよや も」と詠んだものがあり、本願寺の学僧で暁鳥敏とい う盲目の人の作らしい。手紙が投函された正確な日付は、 昭和40年5月8日となっており、ピンク色の桜の花が描 かれた10円切手が貼られていたことから判断すると、私 と同年代であるらしい (図)。この少女のその後、そし て、その母親はどのような人生を歩んだのだろうか。 人は、誰もが両親にはいつまでも元気で長生きしてほ しいと望んでいると思う。ことに母親についてはそうで あろう。しかしながら、その時期が何時とは誰にも知ら されてはいないものの、別れがあることだけは確かなこ とである。親はひとりずつ去っていく。 誰もが人生の中 で二度は受け止め、乗り越えなくてはならない出来事だ (リディア・フレム/友重山桃訳,2008)。どのような別 れになるのか、死亡統計から見ると、疾病名では悪性新 生物が死因のトップであるが、介護問題からみると認知 症を抜きには考えられない時代である。ちなみに介護保 険認定者のうち、なんらかの介護 ・支援を必要とする認 知症がある高齢者は、2015年までに約100万人増加して 250万人に、2025年には323万人になると推計されている (厚生続計協会,2(氾7)0 私は少女と同じ時代に看護学校で学んだ。私の母は、 昨年の8月に亡くなったが、母は認知症であった。この 年末に私は母の遺品を整理するために帰省した。看護職 である私が、認知症になった母のことを、どのように思 い、またどのように行動したのか、遺品を整理しながら 感じた2、3のことを述べたい。それは、高齢者看護を 専門とする私の、母に対する心からの詫び状でもある。 1.思い出すことこそ供養 私の母は、重度の認知症を患っていたが、亡くなるま では例え親子といえども、母の了解なしに母の持物に手 を触れるのは尊厳を汚すように思えて、私は写真や寝間 着等の衣類以外には一切手を触れていなかった。残され た品物を整理しながら、断片的にかつての出来事を思い 出しては手を止めてしまうため、荷物の整理は一向に捗 らなかった。しかし、他人にとっては何の意味も持たな いような一片のメモにも、生前の母の思いが残されてい るように思えて、年末年始の数日間はかつて感じ得なか った満足感にも似た感覚を体験できた一時であった。 自分の人生を母はどのように評価しながら逝ったので あろうか。男の兄弟ばかりの中で育った私は、勝ち気で 頑固な性格であったが、その私のことを母はどのように 2008年1月8日受付 2008年1月15日受理 1)大阪市立大学医学部看護学科 osakaCityUniversitySchoolofNursing 〒545-0051大阪市阿倍野区旭町1-5-17 - 33- 感じていたのだろうか。高校卒業後の進路を看護師にと 決めた時、母は強くは反対しなかったが、本心は近くに いて欲しいと望んでいたことが当時の母の言葉の端々か ら感じ取れたことを記憶している。 生前の母について、 私は強い精神力を持った人という印象を持っていたが、 実は母は幼少時に大病をしたこともあり、両親には勿論 のこと、三人の姉たちに可愛がられ、精神的に

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