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進路指導(2): キャリア教育の在り方について

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九州ルーテル学院大学
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/ヽ1SI(D NO。39 73-93. 2009 73 進路指導Ⅱ 一キャリア教育の在り方について一 はじめに 「キャリア教育」とい う文言が、文部科学行政関連の審議会報告等で初めて登場 したのは、中 央教育審議会答申 「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」1999(平成H年12月)で ある。この答申は、学校種間における接続だけではなく、「学校教育と職業生活との接続」の改善 も視野に入れたt)のであり、具体的には 「小学校段階から発達段階に応 じてキャリア教育を実施 するZ、要がある」と提言された。 その後、初等中等教育におけるキャリア教育の在 り方については、学識経験者や経済団体関係 者、学校教員等で構成 される協力者会議を設け、2004(平成16年1月)に「キャリア教育の推進 に関する総合的調査研究協力者会議報告書」を公表 した。 この中で、キャリア教育は 「児童生徒 一人一人のキャリア発達を支援 し、それぞれにふさわしいキャリアを形成 していくために必要な 意欲 0態度を育てる教育」と定義 され、「初等中等教育におけるキャリア教育の推進」が提言され た。 また、2003(平成15年6月)、 文部科学大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣及び経済財政政策担 当大臣からなる 「若者 自立 0挑戦戦略会議」において 「若者自立・挑戦プラン」が取 りまとめら れ、その重要な柱としてキャリア教育の推進が位置付けられた。その後、内閣官房長官、農林水 産大臣、少子化・男女共同参画担当大臣も加え、「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」 2004(平成16年12月)が策定され、キャリア教育の充実を図ることとされた。 さらに、2008年1 月には、「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」の改訂版が、取 りまとめられその強化が 図られている。 このような中、文部科学省では、2004(平成16年)度には小学校・中学校・高等学校を通 じ組 織的・系統的なキャリア教育を行 うための指導方法・指導内容の開発等を行 う「キャリア教育推 進地域指定事業」や、2007(平成17年)度には産学官の連携による職場体験 0インターンシップ の推進のためのシステムづくりなど地域の教育力を最大限に活用 し、キャリア教育の更なる推進 を図るための調査研究を行 う「キャリア教育実践プロジェク ト」など、様々な施策を実施 してき た。 しかし、各学校の現状を見ると、キャリア教育の∠、要性は理解 されながらも、その意味や受 け止め方が多様で、教育課程の見直 し、体験活動等の取 り組みが十分とは言えない。そのような 状況に鑑み、このたび、先の 「キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力者会議報告書」 の内容を、よりわか りやす くする観点から、「キャリア教育推進の手引」が作成れた。 l 『毎 日新聞の』2009年2月3日付けの「キャリア教育 学校任せでは実を結ばない」は、「文部 科学相の諮問で、中央教育審議会が『 キャリア教育・職業教育のあり方』について審議を始めた」 崎 勝 也 74 鋤 峙 勝 也 「キャリア教育とは何か。中教審は99年、中学・高校と大学の教育のつなげ方について答申した 際、この言葉を用い『望ましい職業観・勤労観および職業に関する知識や技能を身につけさせ、 自己の個性を理解し、主体的に進路を選択する能力・態度を育てる教育』と定義した」と言う。 「新学習指導要領では、例えば小学校では国語や道徳、総合的な学習の時間などにこうした理念 をちりばめ、中学では職場訪問など体験活動の充実をうたう。高校で Fキャリア教育』の文言が 登場し、推進のため産業現場で長期間の実習などをするよう求めている」「こうした中で今回の諮 問のポイントは F体系化』だ。将来社会に出て職に就くために学校の各段階で求められる『基礎 的で何にでも有用な能力』を明らかにする。それを確実に育成できるような体系的なキャリア教 育の充実策を考えてほしいというのだ。具体的な例示はないが、コミュニケーション能力から責 任感、協調性とチームワークなどに至るまで目標はいくつも想定できる」「そして諮問は、専門的 知識 0技能を育成する従来の高校、大学の職業教育のあり方も見直し、社会の多様なニーズに柔 軟に応えるものを、と求めている」としている。 そもそも近年学校にキャリア教育の必要性が指摘されたのは、産業構造や就業形態の変化とと もに就職に対する意識も変わったことによる。諮問理由によると、新卒者が就業後3年以内に離 職する害J合は中学卒約 7害1、 高校卒約 5害1、 大学卒約4害Jという。ただ、キャリア教育が事態改 善に有用でも、学校教育の範囲にとどめていたのでは十分な効果は望めない。地域社会や雇用者 倶1に常

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