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The Essential Problems of Management of Japanese Container Ports

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岡山大学経済学会
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Abstract

岡山大学経済学会雑誌32(4),2001,201-231 日本のコンテナ港湾経営の本質的問題点 津 守 貴 之 1.本稿の目的 現在,日本のコンテナ港湾をめぐってさまざまな問題が指摘され,議論さ れている。例えば,阪神 ・淡路大震災の被災を受けた神戸港のコンテナ貨物 取扱量回復の遅れや日本の大コンテナ港湾のコンテナ貨物取扱量の伸び悩み によって表現される日本のコンテナ港湾の 「競争力の低下」,また日本の大 港湾からの基幹航路の抜港間題に象徴される日本の大港湾の東アジア地域に おける-ブ・ポート機能の喪失,そして地方港のみならず大港湾をも含めた コンテナ港湾の過剰建設の問題,さらにはコンテナ貨物の港湾素通り問題に 典型的に見られる港湾そのものの機能の見直し等であるO 本稿では現在の日本の港湾をめぐる 「2つの過当競争」の考察,即ち,コ ンテナ港湾間の過当競争と港頭地区-内陸地区間の過当競争の考察を機能面 に焦点を当てて,日本の港湾経営の本質的問題点を整理することとしたい。 以下,第2節において日本のコンテナ港湾をめぐる競争状況を量的側面 (-日本国内および東アジア域内におけるコンテナ港湾間の空間的な競争 ・ 連携状況)から,第3節において質的側面 (-貨物頬塑別に見たコンテナ港 湾間の競争 ・連携およびその背後にある内陸地区における物流機能集積の位 置づけ)から検討することにする。そして最後にこれらの作業を通して可能 かつ必要なコンテナ港湾経営の方向性を提示することとしたい。 -201~ 696 2.日本港湾をめぐる過当競争状況一港湾間競争の量的側面 (1) 5大港一地方港間競争 1)地方コンテナ港の台頭 神戸,横浜,東京,名古屋,大阪の5大港以外の地方港の国際海上コンテ ナ貨物の取扱量の推移を見てみると (表 1),輸出量が80年の68万 トンから 98年の1301万トン-とおよそ19倍に,輸入量は同じく63万トンから1266万 ト ン (20倍)-と過去およそ20年間で急激に増加していることがわかる。さら に港湾近代化促進協議会の調べによると(1),1999年の地方港のコンテナ貨物 取扱比率は輸出入合計で17.9%となっており地方港のコンテナ貨物取扱比率 は80年代以降,着実に伸びている。 2)地方圏の5大港依存度の低下 地方港のコンテナ貨物取扱比率の上昇は,とりもなおさず5大港のそれの 低下であるo次に5大港のコンテナ貨物取扱比率の低下が各地方圏における コンテナ貨物の流動状況にどのように反映しているのかを,運輸省港湾局, 大蔵省関税局他が行っている『コンテナ貨物流動調査』(1ヵ月間調査)を利 用して調査時期ごとに時系列で比較してみよう。 表1 地方港のコンテナ貨物取扱量の増加と地方港取扱比率の上昇 (万 トン/%) 80年 85年 90年 91年 92年 93年 94年 95年 96年 97年 98年 輸出量 68 303 465 568 637 707 818 1102 1102 1102 1301 地方港比率 2.35 6.27 7.46 8.68 9.2210.20ll.3114.9114.9114.91 17.0 輸入量 63 168 434 552 599 680 791 1067 1067 1067 1266 地方捲比率 3.18 5.89 8.25 9.33 9.9210.4410.5513.0013.0013.00 15.3 ※ここで地方港とは神戸,横浜,東京,名古屋,大阪の5大港以外の港湾を意味する。 運輸省港湾局資料より作成 (1)伽港湾近代化促進協議会 『外貿コンテナ取扱個数及び貨物量』1990年~1999年分から 算出した。 -202- 日本のコンテナ港湾経営の本質的問題点 697 同調査によると,輸出入ともに (表 2,3)70年調査の時点では関東,東 海,近畿といった,いわゆる3大都市圏以外の各地方圏全てで5大港依存度 がほとんど100%に近い数字を示しているoLかしその後の調査では,5大 港から最も遠距離に位置する北海道,九州をはじめとして地方圏は全て5大 港-の依存度を傾向的に低下させていることがわかる。とりわけ98年調査で は5大港依存度の低下が顕著に出ており,90年代に地方圏貨物の5大港離れ が加速したことを物語っている。 これら2つの表からわかることは次の2点である。即ち,①かつては3大 都市圏だけでなく,地方圏の貨物も5大港を経由して輸出入されていたこ と,②その後,地方圏において5大港依存度が低下してい

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