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Urban Regeneration in the Metropolitan Region of the Rhine-Ruhr-Area : report of Ruhr University Bochum Summer School 2005

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untitled 空間・社会・地理思想 10号 57-83頁, 2006年 Space, Society and Geographical Thought ライン・ルール大都市圏における都市再生 ―ボーフム大学地理学教室サマースクール 2005 に参加して― 本岡 拓哉*・田中 靖記* Takuya MOTOOKA, Yasunori TANAKA Urban Regeneration in the Metropolitan Region of the Rhine-Ruhr-Area: report of Ruhr University Bochum Summer School 2005 * 大阪市立大学・院 I.はじめに 2005 年,ドイツ・ボーフム大学地理学教室(ウタ・ ホーン研究室)と日本・筑波大学土地利用研究室(大 村謙二郎研究室),大阪市立大学地理学教室(大場茂 明研究室),中国・上海同済大学の間で,学部学生・ 院生の相互交流を目的としたサマースクールが開始 された。2005 年 8 月のドイツラウンド(対象地区: ライン・ルール大都市圏)を皮切りに,2005 年 9~ 10 月には,日本ラウンド(対象地区:大阪・東京大 都市圏)が行なわれた。本稿は,そのうち 2005 年 8 月に開催された,ドイツ・ボーフム大学主催サマー スクール(タイトル「ヨーロッパ大都市圏ライン・ ルール地域における都市・地域発展」)の内容をレポ ートするものである。ドイツラウンドには,大阪市 立大学地理学教室から著者 2 名に加えて,上海同済 大学の学部学生・院生 10 名(専門は都市計画,交 通学,建築学,景観工学)が参加した。日程は 8 月 2 日から 13 日までの 10 日間で,行程は第 1 表に記 す通りである。 今回のドイツラウンドで主導して頂いたボーフム 大学の地理学教室(社会地理学)のウタ・ホーン教 授は,ドイツならびに日本の都市計画を専門として いる。それぞれの訪問先では適宜,日本の諸都市や 上海の事例との比較を示し,我々の理解を促してく れた。また,ホーン教授はルール地域で行なわれて いる都市再生事業のポジティブな側面だけではなく, ネガティブな側面をも含めて説明してくれるため, 都市計画に対する広範なパースペクティブを我々は 得ることとなった。また,現地では,ホーン教授な らびにボーフム大学の学生の説明だけではなく,そ れぞれの都市で直接,事業に関わっている行政や民 間企業の担当者や市民の声を得ることができ,非常 に有意義なプログラムであった。 本稿の構成を確認しておくと,訪問先の事例をス ケジュール通りに羅列していくのではなく,2 つの テーマを設け,そのテーマに即した事例について記 述している。すなわち,「旧市街地の再生」と「ブラ ウンフィールド(旧炭鉱地区・製鉄工場跡)の転用」 の 2 つのテーマに分類した上で,様々な都市再生の 方法や実態を報告している。なお,訪問した地区の 中には,本稿の構成上,割愛せざるを得なかった地 区も幾つかある。 また本稿では,サマースクールで配布されたリー ダーに依拠することが多い。加えて,ボーフム大学 から事前に配布された資料や訪問先での資料も貴重 なものが多く(第 2 表),それらは今回のレポートの 素地となっている。次章ではまず,今回のサマース クールの訪問先であるルール地域の歴史と現状につ いて概略しておこう。 ライン・ルール大都市圏における都市再生 58 II ルール地域の発展と衰退 ルール地域とは,ドイツ北西部に位置する重工業 の一大集積地を示し,行政区域的には,ドイツ連邦 州の 1 つであるノルトライン=ヴェストファーレン (NRW)州の中心部に位置する(第 1 図)。1800 年頃までの「ルール地域」といえば,文字通り,ル ール川(ライン川の支流)の中・下流地域を指す言 葉であった。しかし,当時の莫大な石炭の需要によ って,炭鉱が外延的に広がった結果,それはより広 範な地域を指すようになった。東西方向への延長は ウンナ Unna やハム Hamm など東部の都市からラ イン川西岸の低地にまで達している。現在,デュー スブルク Duisburg,エッセン Essen,ボーフム Bochum,ドルトムント Dortmund などの

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