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スモール・イズ・ビューティフルの再評価 : 共同研究の3年間をふりかえって : シューマッハーの遺産を現代に受け継ぐために

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明治学院大学国際学部付属研究所
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Abstract

???????????????????????????????????????????????? ???????????????????????????????????? ????????????? ???????????????????????????????????? ? ? ????? ????????????????????????? ?????????????????????????? ?????????? ???????????????? ???????????????????????????????????????????????????????????????????????????????? ????????????????? ??? ??????????????????????????????? ?????? 3 「スモール・イズ・ビューティフルの再評価」 共同研究の 3年間をふりかえって シューマッハーの遺産を現代に受け継ぐために 大岩 圭之助 もともと本研究会は、大学院改革のための試案作りの中で生まれたといっていい。カリキュラムの 柱として「環境」を捉え、大学院で環境問題を研究したいという広い需要に応えつつ、国際学科の特 徴を生かした三群の学際的なアプローチで扱うことで、できれば国際環境論ともいうべき独自の領域 を切り開いていきたい、という問題意識がまずあった。また、研究と教育とを有機的に結合させるた めに、もっと付属研究における共同研究を活用したい、という思いもあった。 その後、大学院改革は方向転換をよぎなくされ、「環境」をカリキュラムの柱に据えるといった計 画はうやむやになったように見える。しかし、環境問題、特に環境と経済の関わりを学際的に研究し、 またそれを教育へと還元していくための、「土俵(ARENA)」を国際学部につくっていく、という課 題はますます重要なものになりつつあると思えた。そうした領域を切り開く研究のさきがけとも言う べきものにシューマッハの『スモール・イズ・ビューティフル』(1973、以下 SMIB と表記)がある。 ポレミックにして親しみ深く、また大衆文化への影響も大きいこの著作をフォーカル・ポイントとし てとりあげ、それを土台として、今日的な状況への論議を積み上げていこう、というのが本研究会の 目的だった。 本共同研究の一年目の 9 月 11 日に、米国における同時多発テロ事件が起こった。グローバル経済 や、南北格差の問題をテーマとしてとりあげる本研究も、この事件とそれに続く暴力の連鎖に少なか らず影響を受けることになる。大岩(辻信一)の著書『スロー・イズ・ビューティフル-遅さとして の文化』(平凡社)が出版されたのはちょうどその頃だった。その表題が示すように、著者は、SMIB におけるシューマッハーの問題提起を受け、スモールというサイズの問題をスローという時間の問題 へとつなげることによって、経済、環境、文化という領域のインターフェースに光を当てようとした。 2002 年 2 月号『生活起点』誌に掲載された「不経済から経済へのスローダウン」という論稿で著者 は、この視点から 9.11 事件とその後の世界情勢についてコメントしている。以下、第 3 章「スロー の復権」から引用する。 『スモール・イズ・ビューティフル』(1973)を読み直す。そのなかにぼくたちは現代世界 の危機を読み解くための多くのヒントを見出すだろう。 「もっと多く、もっと遠く、もっと早く、もっと豊かに」を合言葉とした当時の経済至上主 義や科学技術信仰を痛烈に批判した経済学者 S エルンスト・フリードリッヒ・シューマッハ ーのことばは、今もほとんどそのまま、「グローバリズムという怪物」への批判として通用す 4 るだろう。シューマッハーは自分の学問であるはずの経済学についてこう言っていたのだった。 もし経済学というものが、国民所得とか成長率とかいった抽象概念をいつまでも乗り越えるこ とができず、また「貧困、挫折、疎外、絶望、社会秩序の分解、犯罪、現実逃避、ストレス、 混雑、醜さ、そして精神の死というような現実の姿に触れないのであれば、そんな経済学は捨 てて、新しく出直そうではないか」、と。 (中略) もう一度、シューマッハーのことばに耳を傾けてみよう。 富や教育や研究開発といった資源をさらに動員して、公害と戦い、野生の動植物を保護 し、新しいエネルギー資源を発見し、平和共存に関して今より実効の

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