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On Tieck's Der Runenberg and E.T.A Hoffmann's Die Bergwerke zu Faule (Studies Presented to Professor Shinichi Minamiozi in Honour of His Sixty-Third Birthday)

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ノレーネンベルクからファールンヘ 鉱山と下降のタナ トスをめぐって 田 大田 雅 ? 序 E. T. A. ホフマンの『ファ ーノレンの鉱山~ Die Bergwerke zu Falun (1818年成立〉は, wゼラピオン同人集~ Die Seraρions-Bruder (1819/21) 中の1篇であるが, かつて実際に起とった事件に基いている。すなわち, 1670年にスウェ ーデンのファ ーノレンの銅山で事故に遭った若い鉱夫が,1719 年に遺体となって発見されたが,亡骸は無傷のままであった。乙の遺体が誰 なのか知る者がなかったが,まだ生き永らえていた彼の花嫁が,自分の花婿 と認めたという事件である。 乙の概要を見れば明らかな通り,ホフマンは『ファーノレンの鉱山』の結末 部分に関しては実際の事件にほぼ従っているが,そ乙iζ至るまでのプロッ ト の展開と動機づけは,ロマンティックな傾向の強いものになっている。とり わけ, 乙の作品は,後述するように,ティ ークの初期のメノレヒェン 『ノレーネ ンベノレク~ Der Runenberg (1804)とさまざまな点で近似性を示している。 以下の本論では,乙の両作品の比較を中心に,ロマン派の作品に見られる鉱 [J Iと鉱石の世界をめぐる問題のいくつかについて検討したいと思う。 1 鉱山や鉱物への関心は,ロマン派にしばしば凡られると乙ろであり,その 代表的な例はノヴァ ーリスの『青い花(ハインリヒ・ フォン ・オフタ ーディ ンゲン)~ Heinrich von Ofterdingen (1802)に見られる。乙の作品の第 5章において,もと鉱夫であった老人の回顧淡の中で,彼が初めて鉱山を見 た時の印象が次のように諮られる。 「ところどころに線の戊みがあり,何軒かの板小屋が立っている岩石の山 ( 23 ) - 24- が丘の七から兄えたn寺, そして, 下のれから煙の宝が森の上を流れて行 くのが見えた時~L,私がどれほど快い気分であったか,とても言い表わせ ませんO 遠くの物音が,私の期待をふくらませました。まもなく私は,は ちきれそうな好奇心と的かな敬皮な気持でいっぱいになって,乙うした岩 石を積み上げたノリレデと呼ばれる丘の上に , 小屋の r~J で忽角度で山の中へ 続いている暗い穴の前に立ちました。J とζでは,鉱山へのJVJ1寺がひたすら予感に満ちたゆjるさをもって語られて いるo とれに対して, wファ ーノレンの鉱山』の同様の場面,すなわち,エー リス ・フレーフaムが初めて鉱山を目の前にした時は,次のようであるO 「エーリス ・フレープムは元気よく進んで行った。しかし,奇怪な地獄の 深淵を前に立った時,彼は血も凍る思いだった。彼は恐ろしい破壊が行な われた光景を見て驚侍したo [... ]深淵には,荒々しい破壊¢跡で,岩石 や鉱浮が一一焼き尽くされた鉱石が散乱し,いつ尽きるともない薄れるよ うな硫黄の臭気が深みから立ちのぼっていて,あたかも地下の地獄の釜が 煮えたぎり,そのj家公が自然のあらゆる生き生きとした植物を枯らせたよ うであったo[... ]ちょうど乙の時,数人の鉱夫が坑内の深い所から登っ て来た。陰気な坑内服を着て,黒く煤けた顔をした彼らは,土中からやっ との乙とで遣い出して来て,何とか地表まで辿り着とうとしている醜悪な 怪物のように見えた。J 『青い 1~~ の老鉱夫とは対照的lζ , wファ ーノレンの鉱山』のエー リスは, 初めて鉱山を自にしたとき,深い戦傑と恐怖を覚え,そ乙で働く;広夫たちに 嫌悪感を抱く。 ζ 乙に見られるように,ロマ ン派の描く鉱山には二つの異な る位相があった。 w背いイヒ』の老鉱犬は以下のように詑-っているO 「鉱山業は,ネ111から祝約されているに迷いないのです。というのは,鉱山 業ほど,それに従事する者を幸福に,気高くし,村!の叡智と摂押.への信仰 を回党めさせて,心の無:版;と子供のような純潔を保つ仕事はなし、からですo [. ・ ・ ]危険な狂気にそそのかされる乙となく ,鋭;犬は,金属をわがものと してすべてを約束されることより,むしろそれの不思11誌な形や来歴と在り 場所の珍しさに若干びを党えるのです。じ ・・ ]世間で名市し、金属を迫l、求め, ( 2i1 ) ノレーネンベノレクからファーノレンへ - 25ー 大地の表面でまやかしゃ悪企みによって金属を求めるよりは,堅固な大地 の中で, 数多くの危険や苦労を経験しながら金属を探す方が鉱夫には好ま しいのです。J 乙の言葉にも示されるように,一方で, 簡

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