Affordable Access

戦後ドイツ金融とリテール・バンキング : 銀行の大衆化と金融商品の価格

Authors
Publication Date

Abstract

氏     名  佐々木 博 光 氏 名 清 田 匡 学 位 の 種 類 博 士(商 学) 学 位 記 番 号 第4568号 学位授与年月日 平成16年9月30日 学位授与の要件 学位規則第4条第2項該当者 学 位 論 文 名 戦後ドイツ金融とリテール・バンキング ― 銀行の大衆化と金融商品の価格 ― 論文審査委員 主 査 教 授 片 岡 尹 副主査 教 授 青 山 和 司 副主査 教 授 西 倉 高 明 論 文 内 容 の 要 旨 本論文は、第二次世界戦争後、ドイツにおいて銀行の大衆化が進展してゆく過程、そして、金利・手数料の 自由化の後、金融商品や、その価格が多様化する過程を対象としている。論者の関心は、ひとつには、金利・ 手数料の自由化や大衆化が、銀行と金融取引にどのような影響を及ぼすかという点にある。金利・手数料の自 由化や大衆化の影響の一つとして、金融取引を商品に擬制し、銀行経営を、金融商品の生産者、販売者として 捉える見方が普及するが、この観点に立つ場合、金融商品や金融機関は、通常の商品や一般の製造業、流通業 に対して、どのような特異性を持つのか。この点に、論者のもうひとつの関心がある。 序章では、上述の本論文の基本的な視角について説明し、あわせて、これらの視角から見たドイツの銀行制 度と、銀行制度の歴史的変遷について紹介している。 第1章では、ドイツにおける預金金融商品を中心に取り上げている。基礎的な預金の概念について説明した 上で、この基礎的な預金に対して影響を与えた諸要因、その影響の結果生まれた新しい預金種類について検討 している。金利自由化以降、預金を巡る競争は、とりわけ貯蓄預金とよばれる預金種類で発生した。金利自由 化は、個人の金融資産の太宗を占める貯蓄預金を巡る競争を引き起こし、この競争の過程で、新しい預金金融 商品が登場した。本章では、これらの新商品の登場の過程を示すとともに、具体的な商品性を、その価格設計 にそって、分析している。この分析のためのツールとして、金融商品の新しい価格概念を提示している。 第2章では、リテール向けの融資金融商品、つまり、消費者信用と住宅金融商品を取り上げている。ドイツ の融資業務における基礎的な概念について紹介した後、消費者信用、住宅金融での融資の商品性、そして、そ れぞれの変遷について分析を行う。預金金融商品でと同様に、銀行業務の大衆化の流れの中で、融資業務でも 定型化が進展する。さらに、住宅金融商品では、諸種の融資のパッケージ商品化が進む。また、金利・手数料 の自由化以降、多様な価格設計が可能となった。前章で示した価格概念を、本章では、二部料金制の観点から、 さらに拡張している。あわせて、消費者信用法を中心として、価格の多様化、価格の透明度の低下に対する立 法や司法の対応についても紹介している。 第3章では、小口の決済サービスを取り上げ、第二次世界戦争後、とりわけ 1960年代以後の、決済サービ スの大衆化の過程、そして、金利や手数料の自由化以降の、これらの商品の変化について検討している。銀行 による費用や、フロートの負担によってリテールの領域で、キャッシュレス・ペイメントが普及し大衆化する 過程、そして、キャッシュレス・ペイメントの定着後に、ペーパーレス化と、キャッシュレス・ペイメントの 価格が多様化する過程を検討している。現在の決済サービスの価格は、一種の二部料金制のモデルに集約する ことが可能であり、この価格モデルを中心に検討している。加えて、ペイメントカードを通じた新しい決済サ ービスについて、紹介している。 -85- 終章では、前章までに取り上げたリテール金融商品の価格についてまとめている。銀行業務の大衆化や、金 利・手数料の自由化を背景として進展した金融商品・サービスの価格の多様化を、価格のカテゴリーの多様化、 価格種類の多様化、そして、価格の尺度の多様化に分けて検討している。あわせて、最初に挙げた第二の関心、 つまり、一般の商品・サービスに対する金融商品の特異性の観点から、このような金融商品・サービスの多様 化の背景について考察している。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 本論文は戦後ドイツのリテール・バンキングの展開を扱っている。それは一般大衆からの預金、消費者金融、 そして決済サービスの3方向から考察される。 本論文の第1章では、銀行の第1の一般大衆向け業務である預金が考察される。戦後、ドイツで

There are no comments yet on this publication. Be the first to share your thoughts.