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農山村住居の広間呼称とその概念基底 : 住空間の史的展開過程に関する研究 (その4)

Authors
Publisher
松蔭女子学院大学学術研究会
Publication Date

Abstract

Kobe Shoin Women’s University Repository Title 農山村住居の広間呼称とその概念基底 ―住空間の史的展開過程に関する研究(その4) Naming and Concept of the main rooms of the old farmer's dwellings Author(s) 島村 昇(Noboru Shimamura) Citation 生活科学論叢(Review of Living Science), No.22:19-109 Issue Date 1990 Resource Type Bulletin Paper / 紀要論文 Resource Version URL Right Additional Information 農山村住居の広間呼称 とその概念基底 住空間の史的展開過程 に関す る研究(その4) 島 村 昇 目 次 1住 空間における広間の意味 1.1広 間の定義 1.2広 間呼称の成立過程 1.3広 間呼称の発生メカニズム 1.4広 間呼称の伝承形式 と呼称系 1.5広 間呼称の分析視点 1.6広 間呼称 と住空間の発展史 2配 棟形式に由来す る広間呼称 2.1配 棟形式 と概念基底 2.2「主」概念 ・オモヤ系広間呼称 2.3「在」概念 ・アラカ系広間呼称 2.4「家」概念 ・イエ系広間呼称 2.5「中」概念 ・ナカイ系広間呼称 2.6配 棟形式 と広間呼称 3床 形式に由来する広間呼称 3.1床 形式 と概念基底 3、2「座」概念 ・ザ系広間呼称 3.3「上」概念 ・オウエ系広間呼称 3.4「台」概念 ・ダイ系広間呼称 3.5「庭」概念 ・ニワ系広間呼称 3.6床 形式 と広間呼称 4.平面形式に由来す る広間呼称 4.1平 面形式 と概念基底 4.2「下」概念 ・シモ系広間呼称 4.3「前」概念 ・オマエ系広間呼称 4.4「表」概念 ・オモテ系広間呼称 4.5「広」概念 ・ヒロマ系広間呼称 4.6平 面形式 と広間呼称 5ユ 住様式に由来する広間呼称 5.1住 様式 と概念基底 5.2「常」概念 ・ジョウイ系広間呼称 5.3「出」概念 ・デイ系広間呼称 5。4「居」概念 ・イマ系広間呼称 5.5「茶」概念 ・チャノマ系広間呼称 5.6住 様式と広間呼称 6.住空間と広間呼称の相関性 6.1概 念基底 と住空間 6.2概 念 ・呼称系 と住空間 6.3伝 承形式 と住空間 6.4広 間呼称の分布域 6.5広 間呼称の重層性 6,6広 間呼称の歴史性 ・地域性 一19一 1.住空間におけ る広間呼称の意味 本論第1章 において、白山・山村住居にオ ミヤなる広間呼称があ り、 それが古代的性格 をもつ 語であろうことを指摘 した。平野部の農村住居では、オエなる呼称が行われてお り、山方のオ ミ ヤ と里方のオエが併存 している事実をみた。里方のはオエはオウエ(御上)の方言的転託であ り、 オウエは中世の近畿で使用された呼称であるから、歴史的な由来はかなり明白である。しかし、 山方のオ ミヤはその由来が不分明であったが、筆者はこれをオモヤ(母屋)の転読としたのであ った。 しか し、考 えてみるとこのオミヤに しろオエにしろ、要するに農山村住居の中心的な場である 広間に対 して何 らかの呼称 があ り、その呼称がいつの時代か らか使用されて きた ものである以 上、その呼称は広間と密接に関係するものであ り、過去の広間の状況 を諸に反映していることは 充分に予測され る。つまり、広間呼称 を材料 として農 山村住居の住空間の発展過程が展望で きる のではないか とおもえた。そして、そのような作業の中で、先のオ ミヤやオエなる広間呼称の意 味 も明確 になり、 またその歴史的性格 も閏明されると考えられた。 1.1広 間の定義 本論における広間呼称のほ とん どは、『日本民家語彙集解』(日本建築学会民家語彙集録部会編、 日外アソシエーツ、1985年)によった。同書の室名の中に、「土間の上に接 し炉 を備えた日常の居 室」 といった解説のあるものがかな りある。これが本論でいう広間である。 いわゆる民家の広

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